タクシードライバーの現場に密着! 事故・トラブルへの備え&対応マニュアルを公開

タクシードライバーは日々、多くの人と道路状況に向き合いながら、安全運転を続けています。
しかし、どれだけ注意していても、事故やトラブルは突然やってくるもの。
このコラムでは遠鉄タクシーが日頃から社員間で共有している「万が一に備える心構え」と「実際の対応マニュアル」を詳しく解説します。
目次
【タクシードライバーに事故やトラブルはつきものなのか!?】
タクシードライバーは車を運転するという特性上、常に交通事故のリスクと隣り合わせです。
さらに日々多くのお客様を車に乗せるため、まれに酔客とのトラブルや、強盗・暴力といった危険に遭遇する可能性も考えられます。
とはいえ、実際に事故やトラブルが毎日のように発生しているわけではなく、あくまでごく一部のまれなケースです。
そうした実態も踏まえ、まずは「タクシードライバーの仕事にはどの程度の危険性があるのか」について、客観的なデータをもとに見ていきましょう。

さらに日々多くのお客様を車に乗せるため、まれに酔客とのトラブルや、強盗・暴力といった危険に遭遇する可能性も考えられます。
とはいえ、実際に事故やトラブルが毎日のように発生しているわけではなく、あくまでごく一部のまれなケースです。
そうした実態も踏まえ、まずは「タクシードライバーの仕事にはどの程度の危険性があるのか」について、客観的なデータをもとに見ていきましょう。

タクシーの事故遭遇率
・タクシードライバーが死亡事故に遭遇する確率は「約0.009%」
タクシー運転手というと、日常的に車を運転する職業であることから「事故のリスクが高いのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
実は、タクシーによる交通事故の発生率は非常に低いというデータがあります。
2023年に発生した交通事故の総数は307,930件でしたが、そのうちタクシーが関与した事故はわずか7,666件で、全体のわずか2.4%にすぎません(※1)。
これは、日頃から安全運転を徹底しているタクシーならではの結果といえるでしょう。

また、同年に発生したタクシー関連の死亡事故は19件。全国のタクシー運転手22万1849人(※2)に対する割合で見ると、死亡事故に遭う確率は約0.009%と極めて低い確率であることがわかります。
もちろん運転をしている以上、事故のリスクがゼロになることはありませんが、死亡事故に関してはごくまれにしか起こらないというのが現実です。
(※1)一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「交通事故発生状況」より
http://taxi-japan.or.jp/pdf/toukei_chousa/koutuujikojyoukyou.pdf
(※2)一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2023」より
タクシーのトラブル遭遇率
・タクシー強盗に遭う確率は「約0.03%」
タクシー車両には、安全対策としてさまざまな装備が導入されています。
たとえば、運転席と乗客席を仕切る防犯ボード、車内の様子を録画するドライブレコーダー、そして緊急時にすぐ通報できるシステムなどが備え付けられています。
また、警察による防犯講習や訓練も定期的に実施されており、現場レベルでの防犯意識の向上にも力が入れられています。
こうした取り組みにより、タクシーを狙った強盗事件の件数は減少傾向にあり、犯人の検挙率も高まっています。
実際に、2022年のタクシー強盗発生件数は全国で71件(※3)。
登録運転者数約24万人(※4)に対し、タクシー強盗に遭う確率は約0.03%と非常に低い水準にあります。

(※3)警察庁「令和4年の刑法犯に関する統計資料」より
(※4)一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2022」より
【遠鉄タクシーの実際の取り組み】
タクシー業界全体で様々な安全対策が講じられていますが、ここからは遠鉄タクシーにおける事故・トラブルへの備え&対応マニュアルについても紹介していきます。
当社では、安全運転の徹底と意識向上を目的に以下のような研修・教育制度を用意しています。
・重大事故映像の共有
点呼や研修時に実際の事故映像を見せ、事故の怖さや責任の重さを認識。安全意識を高めます。
・運転技術のチェック
実地研修で目線や操作を細かく確認し、安全運転技術を習得しています。また、2024年3月からAIドラレコ「DRIVE CHART」を導入し、リスク行動を検知・記録して安全意識向上に努めています。
その結果、2023年に比べ人身事故は4割、重大事故は5割減少しました。
個人の意識だけでなく、仕組みとしても安全対策を強化しています。(※5)
・狭路の通行練習住宅街や細道なども想定し、狭い道での運転練習を重点的に実施。
乗務員デビュー後、不安なく運転できるように、自信がつくまで徹底的に練習をします。
・地理の習得
道に詳しくなることでスムーズな案内ができるだけでなく、迷いや焦りによる事故・違反も防げます。
研修の中で全ての道を把握することは難しいですが、教育担当の指導の下、よく使う道を実際に運転して地理の習得に努めます。

(※5)「DRIVE CHART」https://drive-chart.com/
研修での教育および制度について
当社では、安全運転の徹底と意識向上を目的に以下のような研修・教育制度を用意しています。
・重大事故映像の共有
点呼や研修時に実際の事故映像を見せ、事故の怖さや責任の重さを認識。安全意識を高めます。
・運転技術のチェック
実地研修で目線や操作を細かく確認し、安全運転技術を習得しています。また、2024年3月からAIドラレコ「DRIVE CHART」を導入し、リスク行動を検知・記録して安全意識向上に努めています。
その結果、2023年に比べ人身事故は4割、重大事故は5割減少しました。
個人の意識だけでなく、仕組みとしても安全対策を強化しています。(※5)
・狭路の通行練習住宅街や細道なども想定し、狭い道での運転練習を重点的に実施。
乗務員デビュー後、不安なく運転できるように、自信がつくまで徹底的に練習をします。
・地理の習得
道に詳しくなることでスムーズな案内ができるだけでなく、迷いや焦りによる事故・違反も防げます。
研修の中で全ての道を把握することは難しいですが、教育担当の指導の下、よく使う道を実際に運転して地理の習得に努めます。

(※5)「DRIVE CHART」https://drive-chart.com/
実際に事故が起きた場合の対応について
万が一、事故が発生した場合には、乗務員が冷静かつ適切に対応できるよう研修期間中に報告手順や対応方法についてしっかりと説明があります。事故対応の基本的な流れは以下の通りです。
1.警察へ通報(必要に応じて救急車も手配)
事故が発生したら、まずは警察に通報し、必要であれば負傷者のために救急車を呼びます。
初動対応が適切かつ迅速であることが何より重要です。
2.配車センターに事故発生の旨を無線で連絡
乗務班長に現場へ来てもらうよう手配します。
乗務班長が現場に駆けつける理由は以下の通りです。
・お客様や事故の相手方への謝罪
・車両および相手方の損傷状況の確認
・該当乗務員の精神的フォローおよび対応支援
また、以下のような対応も行います。
・実車中の場合:お客様への謝罪と怪我の有無の確認、運行継続のための代車を手配
・迎車中の場合:配車されたお客様のために代車を手配
3.乗務班長立ち合いのもと、警察官による実況見分に対応
現場では警察官が事故状況を確認する実況見分を行います。
乗務員は乗務班長とともに、事故発生時の状況について説明します。
4.営業所に帰社後、事故発生報告書と顛末書の作成
営業所に戻ったら、事故発生の日時や状況、事故当時の様子を文章と図で記録した報告書を作成します。
あわせて、再発防止策についても記入します。
なお、事故による相手方との交渉や修理費の支払いなどの対応はすべて会社が行い、乗務員が直接関わることはありませんので安心して業務に専念できます。
実際にトラブルが起きた場合の対応について
タクシー業務では、まれにトラブルに直面することがありますが、当社ではそうした事態に対応できる体制を整えています。
研修期間中にトラブル発生時の対応手順について詳しく説明し、乗務員が安心して対応できるよう指導しています。
1.配車センターに無線で連絡
まずは配車センターへ無線連絡を行い、トラブルの内容を報告します。
その後、状況の深刻度に応じて、乗務班長が現場に駆けつけるなどの対応が手配されます。
班長は、トラブル対応経験が豊富で、適切な判断・対応ができるので、突然トラブルが発生しても安心して任せることが出来ます。

2.必要に応じて警察を手配
トラブルの内容によっては、警察の介入が必要になる場合もあります。
たとえば、以下のようなケースが挙げられます。
・お客様が車内で寝てしまい、声をかけても起きない場合(乗務員はお客様の身体に触れることができないため)
・乗務員が暴行を受けた場合(これは「傷害事件」に該当します)
実際に起きることのあるトラブル事例
・お客様が寝て起きてくれない
・タクシー料金を支払えない
・カスタマーハラスメント
当社では、こうしたトラブルに対しても毅然とした対応を行う方針を明確に定めており、カスタマーハラスメント防止のガイドラインも公表しています(詳細:カスハラ対応方針ページ)。
トラブル抑制のための設備・ツール
トラブルの未然防止および早期対応のため、車両には以下の安全機器を搭載しています。

・ドライブレコーダー
車内外の映像を常時記録し、トラブルの証拠として活用できます。
・防犯ボード
運転席と後部座席を隔てる透明なボードを設置し、安全性を高めています。
・緊急スイッチ
運転席の足元にあり、引くと行灯が赤く点滅、ウインドウサインがSOS表示に切り替わり外部から異常を視認できるようになります。
同時に配車センターにアラームが通知されるので、GPSの位置情報をもとに、必要に応じて支援を向けることができます(実際に使用されることはほぼありませんが、非常時の安心材料として研修でお伝えしています)。
【まとめ】
・タクシードライバーが事故やトラブルに遭う確率は非常に低い
・遠鉄タクシーでは事故・トラブル時に適切に対応できる体制を整えている
・トラブルの未然防止および早期対応に向けた取り組みにも力を入れている
お客様を乗せて車を運転する以上、事故やトラブルなどに対するリスクをゼロにすることはできませんが、事前にしっかりと対策を講じることで確率を大きく下げることができます。
遠鉄タクシーでは、一人ひとりの乗務員が安心して業務に取り組めるようにしっかりとしたサポート体制を整えています。これからタクシー乗務員として活躍したいと考えている方は、ぜひ安心してチャレンジしてください!
少しでもタクシー乗務員の仕事に興味があるなら、まずは話を聞いてみるだけでもOKです。
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