トラック運転手歴20年以上の私が46歳でタクシー乗務員に転職して成功した理由
46歳からの挑戦!もっと早くタクシーと出会いたかった
21歳のときからずっとトラック運転手をしてきました。トータルで20年以上かな。コンビニ配送や工場への部品の配送、バスの送迎など…宅配以外はほとんど経験して、いろんな種類のトラックを運転してきましたよ。
運転は特別好きって訳じゃないけど、じっとオフィスで働く仕事が苦手で・・・。運転していると常に景色が変わっていくじゃないですか。それが好きで、運転していると時間があっという間に過ぎていくのが私には合っていたんじゃないかな。
実は父親も昔タクシー乗務員をやっていて、私も最後にはタクシー乗務員になるんだろなと漠然と思っていたんです。そのタイミングがきたのが46歳のときでした。
トラック運転手の仕事は労働時間で収入が決まるんです。長く運転すればするほど稼げるけど、時代が変わって、労働条件が変わって、だんだん思ったように稼げなくなってきて・・・。体力的にも、精神的にも限界だったんですよね。そんな時、友人からタクシー乗務員の仕事を紹介してもらったんです。
「こんなに良い職場があったのか!」って驚きました(笑)。正直、この年齢から新しい人間関係をつくるのは大変だなって、転職を踏み切れなかった部分もあったんです。というのも、トラック運転手の世界は「新参者に厳しい」のが当たり前と思っていました。これまで「女だから…」と嫌な思いを何度もしてきました。
だけど、遠鉄タクシーでは全くそんなことはなくて、みんなが優しく迎え入れてくれたんです。体調が悪そうだったら「無理しなくていいよ」と気遣ってくれるし、急に休むことになっても「いいよいいよ」と温かく対応してくれる。正直、もっと早くタクシーの仕事と出会えていたら良かったです(笑)。
生活が一変!タクシー乗務員になって良かったこと
生活リズムが大きく変わりました。前職は夕方16時~深夜2時まで働くのが基本だったんですが、現在は朝7時~夕方17時半が勤務時間になっています。
特に女性って夜の22時~2時の間にホルモンバランスが整うようになっているので、この時間に働いていると肌が荒れたり、体調が悪くなりやすくて…。転職してからは生活リズムが改善して、体調も良くなった気がします。
トラック運転手は代わりがきかない仕事なんです。だから気軽に休めない。正直、高熱が出た時でも仕事に出たりしていました。しかも、一度出発するとなかなか戻ることができなくて。例えば家族に急なトラブルが起きたとしてもすぐに駆け付けられないという不安は常にありましたね。
そうなんです。タクシーは個人で仕事をするので気軽に休めますし、急な家庭のトラブルがあってもすぐに駆け付けることができます。
雨が降ってきたら、少し家に寄って洗濯物を取り込んだりなんてことも(笑)。休憩も自由に取れるし、気持ちがだいぶラクになりましたね。
それが大きいと思います。以前は「否定」されることが多かったのですが、遠鉄タクシーに入ってからは「肯定」されることの方が多くなりました。
実はトラック運転手時代に管理者業務に挑戦しようと思い、忙しい合間をぬって必死に勉強して運行管理者の資格を取りました。が、そのポジションを与えてもらえなくて・・・。その時は貨物部門しか取得していなかったので、次は旅客部門の運行管理者の資格が取りたい、と遠鉄タクシーの上司に相談したら「どんどんやりな!」と応援してくれました。
ここでは業務内容で差別をされたりすることなく、班長を任せてもらったり、新人の教育担当を任せてもらったり、どんどん抜擢してくれます。やりたいことがどんどん実現できる環境にいることで、自分に自信が持てるようになりました。
人生が変わった瞬間!お客様の言葉でこれまでの人生が救われた
タクシー乗務員になってからたくさんの人に出会うようになったんです。これまでは一人で運転するだけで、1日中誰とも話さないこともよくありました。でも、この仕事は毎日違う人に出会い、色々な人の話が聞けるんです。
1日約15人のお客様を乗せると考えると、10日で150人、100日で1,500人もの人に出会えるんです。人の考えを知って、自分の考えも変わったり。なんだかそれだけで「徳」を積んでいるような気がしています。
そうなんです。小さい子どもの話に癒されたり、90歳を超えるおばあちゃんから戦争の話を聞いたり、色んな職業の方から今まで知らなかった世界の話を聞けます。色々な話を聞いているだけで、毎日の出会いが本当に特別に思えてくるんですよね。
実は「人生が救われたな」と思えるお客様との出会いがあったんです。そのお客様は本当に優しい方で、私のおばあちゃんかなと思えるほど親身に話を聞いてくれて、初めて会った人なのに、いつの間にか人生相談みたいになっていました(笑)。
私はこれまで自由に自分勝手に生きてきたんです。だから、どこか自分の人生に自信が持てずにいました。子育てはちゃんとできていたのだろうか。娘にもっと愛情をかけてあげられたんじゃないか、とか。自分勝手に生きてきたからこそ、後悔もたくさんあったんです。
そんな話をしていると、そのお客様は「その時できることを一生懸命やっていたんなら、あなたは間違っていないよ。そのときそうだと思ったんなら、それで正解でいいんだよ。」と伝えてくれたんです。「ああ、これで良かったんだ」と何だか心のモヤモヤが晴れた思いになりました。
この日から自分の人生にちょっとだけ自信が持てるようになり、毎日が色鮮やかになった気がします。人生はほんの少しの挑戦と出会いで大きく変わります。私にとっては、46歳でタクシー乗務員に転職したことが人生を変えるきっかけになりました。転職して大成功です。私のエピソードが、誰かの人生を変えるきっかけになったら嬉しいです。