【ドライバー未経験者の研修レポート!】浜松市外から遠鉄タクシーに転職した私が、初めて研修うけてみた。

K.R 元・不動産営業
目次

研修期間は約9ヶ月とたっぷり!入社から乗務開始までの流れ

遠鉄タクシーの研修の全体像


遠鉄タクシーには、遠鉄訓練教育センター、通称「ETEC(イーテック)」と呼ばれる研修施設があります。

入社後は、このETECに約9ヶ月間配属となり、一人前のタクシー乗務員になるための研修を行っていきます。

ETECでは、専属の教育担当がつき、地理や接客方法などタクシー乗務員に必要なイロハを基礎から丁寧に教えてくれるんです。

研修の全体像は下記の図のような流れとなります。



はじめまして!
2024年3月に遠鉄タクシーに入社したばかりの新人乗務員です。

前職は不動産会社の営業マンで、運転は好きだったけどタクシー業界は未経験でした。
しかも浜松市外出身だから土地勘は全くなく、浜松駅への行き方さえ迷うレベル。

そんな私が、遠鉄タクシーに入社して研修を受け、タクシー乗務員デビューするまでのリアルな体験談をひとつずつご紹介していきます!

自動車学校


まずは自動車学校に通い、「2種免許」の取得から行います。
もちろん、教習費用は会社負担です。

運転には慣れていましたが教官から「ハンドルを逆手で回す癖がある」と教えてもらえました。
自分ではなかなか気づかないものですね。

学科講習はオンラインで動画を見るスタイルで、自分が集中して受講できる時間をスケジュール調整できるのは助かりました。

<教育担当から一言>
2種免許の取得は「通学コース(約1ヶ月)」と「合宿コース(約1週間)」から選択することが可能です!
例えば、まだ在職中の方は「通学コース」を選択して、仕事をしながら3ヶ月程かけて取得するなんて方法もあります。

一人ひとりの状況に合わせて柔軟に対応します。

社内教育


2種免許を取得したら、いよいよ20日間の社内研修がスタートします。

この20日間で運転、地理、接客方法などについて座学や実地で学んでいき、最後に卒業検定を受けて無事合格すれば社内研修は終了です(研修内容の詳細に関しては次の章で説明しますね)。

一緒に研修を受けた同期とは、今でも交流があります。
顔を合わせれば「最近どう?」って気軽に話せるから、いい気分転換になるんですよね。
新人ならではの悩みや、その日の出来事などを共有し合えるのも心の支えになっています。

最近早くも後輩ができて、質問されることも増えてきました。


<教育担当から一言>
実践的な知識やノウハウをこの期間に教えていきます。
地理の知識や技術的な部分はもちろん大切なことですが、一番大切なのは「心」の部分。タクシー乗務員は、お客様を乗せる仕事です。

プライベートで気ままに運転する感覚でいると重大な事故やトラブルにつながる恐れがあります。

「自分の大切な人(家族や恋人など)を乗せているという想いで運転してください」と、一番初めに伝えるようにしています。

班長添乗


卒業検定に合格すると、社内研修は終了。

そのあとは、2日間の班長添乗を実施します。
班長添乗とは、各班に分かれた乗務員のまとめ役である班長が助手席に座り、業務をフォローしながら実際にお客様対応をしていきます。

このとき初めて「本当のお客様」を乗せることになるので、とても緊張しました。
隣で色々なノウハウを教えてもらえるので、とても勉強になる2日間でした。

そのとき班長にもらったアドバイスは今でも覚えています。
「できるだけ早く、町名を覚えること。そうすればナビに頼りきりにならなくても、パッとルートが出てくるようになるから。」
最初は苦労したけど、今ではだいたいの町名が頭に入っています。



<教育担当から一言>
社内教育で知識を習得していても、いざ実務に入ると忘れてしまったり、上手くいかなかったりすることもあります。
タクシードライバーは一人で行う仕事だからこそ、初めのうちは不安がつきもの。
少しでも安心して業務がスタートできるように、班長添乗の期間が設けられています。

日勤勤務


班長添乗が終わると、とうとう一人での初乗務がスタート。
最初の1ヶ月間は日勤勤務(8:00~17:30)となります。

初日はさすがに緊張したけど、分からないことがあれば、すぐに電話で連絡して相談できる体制があるので、一人だけど一人じゃない安心感があります。

私の場合は、金券の処理の仕方やチケットが使用できるかをよく電話で確認していました。
お客様とトラブルがあった時も、班長が駆けつけて処理してくれて…あの時は本当に助かりました。

<教育担当から一言>
研修の資料やマニュアルはスマホで確認できるようになっているので、時間に余裕があるときはそれを確認するように伝えています。

実際にお客様を乗せていて急ぎの時は、もちろん電話で確認してもらっても大丈夫。
気軽に相談できる環境には自信を持っています。

4勤2休勤務


日勤勤務の1ヶ月間が終わると、2ヶ月目以降はダイヤ勤務となり、「4勤2休」勤務となります。
「4勤2休」って言ってもよく分からないですよね(下記の図を確認してみてください)。

独特の勤務体系なので、体が慣れるまでには時間がかかるかもしれません。
ただ、ダイヤ勤務ならでは面白さもありますよ。

天気予報の情報や曜日によって「この時間、郊外から浜松駅に行きたい人がいるだろう」と推理してみたり。
自分の予想が的中してお客様と出会えた時は、心の中でガッツポーズです(笑)

入社後、夜勤への勤務時間変更も可能なようなので、もっと稼ぎたいという人は上司へ相談してみてください。
下に入社後からの流れや勤務時間、給与を図でまとめたので、確認してみてくださいね。



 

<教育担当から一言>
ダイヤ勤務になってからの8ヶ月間は、自分の働き方に慣れるための期間でもあります。
起きる時間や休憩時間など自身のライフスタイルに合わせて調整していってください。

ETECでの勤務を全うした後は、最寄りの営業所に配属となります。
そのまま「4勤2休」で続ける方もいれば、「夜勤」に切り替える人もいますよ。
また女性の場合は「日勤」を選択することも可能ですので、
あなたの働きやすいスタイルを見つけていってください

社内研修ってどんな内容?各研修のリアルな体験レポートを大公開

入社後から乗務開始後まで、研修期間の大まかな流れは把握できたかと思います。

次は、「1-2 社内研修」で軽く触れた研修内容について詳しく解説していきたいと思います。

研修期間は14日間。その後、卒業検定(1日)に合格すれば、晴れてタクシードライバーデビューとなります。
具体的なカリキュラムを下記の図にまとめました。今回も、1つずつ説明していきますね。

1日目:入社手続・就業規則確認


まずは基本的な入社手続きから始まります。
こちらはどの会社でもあるような一般的な流れになります。

同期も一緒だったので、不安は特になかったです。
早く一人前になりたい、という気持ちでいっぱいでした。

2日目:車載機器・車両等の取扱い


実際のタクシー車両を使って、「こんな機器がありますよ」「このように使いますよ」と車載機器の説明を教育担当の方がしてくれます。
実物を使いながら解説してくれるので分かりやすかったです。

どの機器が何のために付いているのかを知ることができて、楽しかったです。

3日目:運賃・接客・トラブル対応


過去の事例に基づいて、「こんな時はどう対応しますか?」と、ケーススタディで学んでいきます。
実際のドライブレコーダーの映像を見ながら講義してもらえるので、かなりリアルで臨場感があり、実践的な学びが得られました。

実際の映像ほどインパクトあるものはないですね。
事故は誰にでも起こりうるもので、他人事ではないなと。
安全運転への意識がより一層高まりました。

4~11日目:運転実地研修/地理・運転・接客・機器操作教育/各種ルール


<運転実地研修(夜間教育含む)>
同期メンバーや教育担当と一緒に浜松市内を運転して回っていきます。
姫街道とか飛龍街道とか、ランドマークや目標物を教えてもらったり、病院メインで周って合わせて待機ルールも教えてもらいました。

市外出身なので、ありがたかったです。
地元の人しか知らない道やナビに出てこない道もこの研修で知りました。
例えば、雄踏街道の西高坂を上がって浜松駅南に行く道は、実際の乗務でもよく使っています。

<地理・運転・接客・機器操作教育>
お客様に乗車いただいて精算を済ませるまでの一連の流れを覚えていきます。

接客でいうと「お客様の安全のためにシートベルトの着用をお願いします」など声かけのマニュアルがいくつかあります。
まずはそういった基本を覚えていきますが、大切なのはお客様に合わせて臨機応変に対応すること。

例えば、妊婦の方やケガをされている方だとシートベルトができないこともあります。

これは実際に経験したことですが、目的地に着く手前でお客様から「ここで降ろして」と言われたことがありました。
本来の目的地まで乗せて行こうとしたら、班長にお客様のご要望通り止めるよう指示されました。
あとから班長に理由を聞くと、メーター料金がちょうど上がる前だったんです。

良かれと思ってやったことが裏目に出ることもあるので、状況によって対応を柔軟に変える必要性もここで学びました。

<各種ルール>
タクシードライバーには様々な規則・ルールが存在するので1つずつ確認していきます。

特に「待機ルール(待機所でのルール)」は「この待機所へは左折して入る」「待機できるタクシー会社制限」など場所によって複雑で一度で理解するのは難しいので、運転実地研修の時に待機所に行き、実践しながら覚えていきました。

 

12・13日目:運転登録者研修


遠鉄タクシー社内ではなく、外部で受ける研修で、2日間にわたり実施されます。

これはタクシー業界全体でタクシードライバーの質を向上させることを目的に実施される研修です。
この研修を受けることで「運転者証」(これがないとタクシーでの営業業務ができません)を受け取ることができます。

難しいものではありません。

14日目:初任適性検査


こちらも外部で受ける検査です。
検査自体は1~2時間ほどですが、静岡市内で行うため、移動時間も含めると1日かかります。

初任適性検査は、「あなたはこんな運転の癖や特性がありますよ」というのを把握するための検査です。
自分の癖や特性を客観的に認識することで、安全な運転につなげていく訳です。

私の場合は、目標物をとらえる能力はあるが、行動に移すまでに時間がかかるという結果が出ました。
見えているけどすぐに行動に移せないということだったので、事前に地形や標識などをしっかり把握しておくことが大事だと改めて意識することができました。

15日目:卒業検定


検定員2名がお客様役として乗り込み、指定された目的地まで運転し、精算までの一連の流れを行います。
これを何回か繰り返して1つのコースを回っていき、問題がなければ合格です。

運転実地研修の際に、検定コースである4つのコースを回り、注意点やポイントを解説してもらえるのですが、卒業検定ではこの4つのコースから1つが割り当てられます。
予習もできるので、きちんと確認していけば大丈夫。

研修受講者が語る!研修を受けて良かったこと&役立ったこと

ここまで読んだ方は、研修内容のイメージが湧いてきたかと思います。

そこで、実際に研修を受けた私が感じる「研修を受けて良かったこと、実際の業務に役立ったこと」を3つ挙げてみたいと思います。

地理の実地研修は即戦力に!


地理の実地研修は、本当にやってよかった研修のひとつ。
特に私は市外出身なので、入社するまで浜松の地理はほとんど分からない状態でした。

入社前は「ナビがあるから地理は分からなくても大丈夫だろう」と高を括っていましたが、実際に業務を行ってみると地理の知識は必要不可欠。

重要なポイントを把握するだけで、仕事の効率は格段に上がります。

卒業検定コースでの経験が自信に!


卒業検定で通ったコースは、実務でもよく使用する道ですし、何度も回ったエリアなのでよく記憶しています。
知っている道が多いエリアでは、安心して業務を行うことができ、自信をつけることもできました。

卒検では教習所以上に細かい癖を指摘され、まさに最後の見極めという感じ。渋滞・信号回避のルートや、接客マナーに関してもアドバイスをもらいました。

班長添乗の時のアドバイスを実践!


班長添乗の時にもらったアドバイスは、「分からない道は、お客様に聞く」ということ。
この言葉を聞いて、少し心が軽くなりました。

実際、お客様は優しい方が多く、道を聞くと親切に教えてくれます。
「新人なんです」と伝えると、「じゃあ主要なポイント回ってあげるよ」と市内を案内してくれたお客様もいたんですよ!

基本的な知識だけでなく、先輩ドライバーの生の声を聞く機会が多かったのも良かったです。

研修の気になるポイントを教育担当者に聞いてみた

気になる質問を、教育担当に聞いてみました。

一人での乗務がはじまってからもフォローはありますか?

何かあればすぐに電話で相談できる体制をつくっています。

管理者による日々の日報のフィードバックもあるので、勤務中の不安や疑問があれば何でも相談できます。

研修期間が長くなるケースはどんな場合ですか?

一人ひとりに合わせた研修を行っているので、人によっては研修期間が長くなることもあります。

例えば、浜松出身の方に比べると、市外・県外出身の方のほうが手厚く地理に関するサポートを行う場合があったりします。

ペーパードライバーでも大丈夫ですか?

運転のブランクがある方も一定数いらっしゃいます。
そういった方には、安心して運転ができるようにサポートを手厚くしたり、運転に慣れるように実地運転の回数を増やしたりしています。

研修日数は少し増えてしまうかもしれませんが、「安心して仕事ができること」を第一に考えて研修を行っています。

まとめ

<遠鉄タクシーの研修制度のポイント>
・研修期間は約9ヶ月!1人1人に合わせた丁寧で手厚いサポート
・実務を意識した研修!9割が未経験でスタート
・地理教育を徹底サポート!市外・県外出身者も安心
・同期と一緒に研修!仲間と切磋琢磨できる環境


未経験で浜松市外出身の私でも、遠鉄タクシーで安心してタクシードライバーデビューすることができました。

未経験の方にこそ遠鉄タクシーの研修をぜひ受けてほしいと思います。
本当にイチから丁寧に教えてくれるので、心配する必要はありません。

すこしでもタクシードライバーに興味があるなら、
まずは話を聞いてみるだけでもOKです。
リモート会社説明会も実施中!

新着の記事